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名古屋地方裁判所 昭和34年(わ)260号 判決 1964年6月30日

本籍並に住居

名古屋市中川区笈瀬町二丁目十三番地

故非鉄金属商

鵜飼明

大正九年四月一三日生

右の者に対する各所得税法違反被告事件(昭和三四年(わ)第二六〇号、同年(わ)第一二六八号)について、当裁判所は検察官船越信勝出席の上、併合審理を遂げ、次のように判決する。

主文

被告人を懲役一年及び判示第一の罪につき罰金五〇〇万円に、判示第二の罪につき罰金二〇〇万円に処する。

右罰金を完納し得ない場合には、金一万円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。

本裁判確定の日から二年間、右懲役刑の執行を猶予する。

訴訟費用は、全部被告人の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は昭和二一年二月頃肩書住居である名古屋市中川区笈瀬町二丁目一三番地に営業所を設け、更にその後同市中区元田町三丁目二六番地鵜飼憲一方、同市同区岩井通一丁目二五番地鵜飼勇方、大阪市東成区大今里南之町三番地にも夫々営業所を設け、昭和三三年六月頃迄の間、個人として故非鉄金属商を営んでいたものであるが、所得税をほ脱する目的を以て、正規の帳簿を備付けず、且つ架空名義を使用して取引をなし、その販売代金を、予め銀行に設けていた架空名義の普通預金口座に入金する等の不正の方法により、所得の一部を秘匿した上、

第一、昭和三〇年中における右事業による所得金額は、少くとも別紙の「第一期脱漏所得金額計算書」中記載の如く、金三八、三一五、七一五円(この所得税額金二四、一四六、五七〇円)を超えていたのに拘らず、昭和三一年三月二日所轄税務署長に対し、右所得金額が金三五〇万円(この所得税額一、六〇五、七五〇円)である旨虚偽の所得申告を為し、以て少くとも右の差額に対する所得税額金二二、五四〇、八二〇円をほ脱し

第二、昭和三一年中における右事業による所得金額は、少くとも別紙の「第二期脱漏所得金額計算書」中記載の如く金一八、七七八、九九五円(この所得税額金一一、四二三、二八〇円)を超えていたのに拘らず、昭和三二年三月一五日所轄中川税務署長に対し、右所得金額が金二五〇万円(この所得税額一、〇一二、〇〇〇円)である旨虚偽の所得申告を為し、以て少くとも右の差額に対する所得税額金一〇、四一一、二八〇円をほ脱し

たものである。

(証拠の標目)

判示事実は

一、第一回、第四回、第二七回、第二八回、第三〇回各公判調書中、被告人の供述記載部分

一、被告人の大蔵事務官に対する昭和三三年三月一八日附、同年同月二〇日附、同年同月二六日附、同年四月四日附、同年同月五日附各質問てん末書並に検察官に対する同年同月五日附、昭和三四年二月二〇日附、同年同月二三日附、同年同月二四日附、同年同月二七日附、同年三月一三日附(第八回、第九回)、同年五月三〇日附、同年六月一日附、同年同月一五日附、同年同月一六日附(第一六回)、同年同月一七日附、同年七月二四日附各供述調書

一、証人原稔、同杉江芳正の当公廷における各供述

一、第九回、第一六回、第一七回、第一九回、第二一回、第二五回公判調書中、証人原稔の供述記載部分

一、第一九回公判調書中、証人鵜飼憲一の供述記載部分

一、第二四回公判調書中、証人浜井清一の供述記載部分

一、裁判所の証人佐々木貞治、同伊東正夫に対する昭和三六年一〇月一二日附各尋問調書

一、裁判所の証人田口明、同大橋健二、同岡田武夫に対する同年同月一三日附各尋問調書

一、裁判所の証人蒲田三郎に対する同年同月二三日附尋問調書

一、裁判所の証人安栄利雄に対する同年同月二四日附尋問調書

一、裁判所の証人鈴木為三郎に対する昭和三七年一月二二日附尋問調書

一、岡田武夫の検察官に対する昭和三四年三月一一日附供述調書

一、佐々木貞治の検察官に対する同年二月二五日附供述調書

一、鈴木為三郎の検察官に対する同年三月五日附供述調書

一、田口明の検察官に対する同年同月一一日附供述調書

一、安栄利雄の検察官に対する前同日附供述調書

一、浜井清一の検察官に対する同年二月二四日附、同年四月九日附各供述調書

一、山口次郎の検察官に対する同年三月一〇日附供述調書

一、蒲田三郎作成の同年二月八日附上申書

一、蒲田三郎の検察官に対する同年三月一〇日附供述調書

一、丹下清一の検察官に対する同年六月八日附供述調書

一、小林昌平の検察事務官に対する同年三月三日附供述調書

一、永見且弘の検察官に対する同年同月一六日附供述調書

一、伊東正夫の検察官に対する同年同月一一日附供述調書

一、原稔の検察官に対する同年一一月七日附供述調書添付に係る一覧表の別紙(一)の部分

一、鵜飼憲一の検察官に対する同年二月一九日附供述調書

一、鵜飼勇の検察官に対する前同日附供述調書

一、西岡勇作成の昭和三三年六月二一日附昭和三〇年分所得税更正通知書に対し審査申立書並に同日附昭和三一年分所得税更正通知書に対し審査申立書の各謄本の外

判示第一、第二の各事実中、別紙(1)の「昭和三〇年一二月三一日現在における財産額明細書」及び別紙(2)の「昭和二九年一二月三一日現在における財産額明細書」中のたな卸商品額並に別紙の「第二期脱漏所得金額計算書」中のたな卸商品額及び繰越商品額につき

一、第二〇回公判調書中、証人渡辺二朗、同林信雄の各供述記載部分

一、当裁判所の証人並に鑑定人忠佐市に対する昭和三七年一二月三日附尋問調書

一、鑑定人中川一郎作成の鑑定書

一、原稔作成の昭和三三年七月三一日附たな卸商品評価調書

一、渡辺二朗の検察官に対する昭和三四年三月三日附供述調書

一、星野鎮雄の検察官に対する同年同月七日附供述調書

一、林信雄の検察官に対する同年同月四日附供述調書

一、大蔵事務官田中良一作成の同年同月二一附検証顛末書

一、大蔵事務官小林忠三、鵜飼勇両名名義の同年同月一八日附在庫商品現在高確認書

一、大蔵事務官原稔、鵜飼明両名名義の前同日附(作成日附の昭和三二年とあるは、昭和三三年の誤記と認める。)現在高確認書

一、大蔵事務官鈴木高司、富田音吉両名名義の前同日附在庫品現在高確認書

一、大蔵事務官上田金蔵、阿部武雄両名名義の前同日附在庫品確認書

一、大蔵事務官吉田和男、佐々木貞治両名名義の前同日附在庫品現在高確認書

一、大蔵事務官高垣守邦作成の同年同月二八日附検証顛末書

によれば、

(イ)  昭和二九年末、昭和三〇年末、昭和三一年末における被告人所有に係るたな卸商品(昭和三一年度の繰越商品については、昭和三〇年末におけるたな卸商品と同一であるから、以下特記しない。)の数量及び銘柄は、名古屋国税局が、昭和三三年三月一八日以降同年同月二八日頃迄の間、被告人に対する本件所得税法違反嫌疑事件に関し、被告人所有に係る故非鉄金属につき、実地たな卸をなした際における商品の数量及び銘柄と略同一であつたこと。及び(ロ)右たな卸商品に対する当該年末における仕入価格は、(A)昭和二九年末における分が、金五七、一五〇、〇四一円、(B)昭和三〇年末における分が、金九八、二七三、六四三円、(C)昭和三一年末における分が、金一〇六、一〇四、一九五円であつたことを夫々認めるに足り、而して当該年度における所得金額を算定するに当り、たな卸商品を評価するに際しては、原則として、当該商品に対する取得価格により算出すべきものであることは所得税法に徴し明らかであるけれども、本件においては、全証拠によるも、右各年度末におけるたな卸商品につき、個別的に、その取得価格を認めることができないから、所得税法第一〇条の二第一項の趣旨に則り、同法施行規則第一二条の九所定の各評価方法のうち、いずれか一つによつて、たな卸商品を評価すべきところ、前掲各証拠によれば、被告人は白色申告者であり、且つ所得税法第一〇条の二第一項所定の評価方法選定についての届出をしていなかつたものであることが明らかであるから結局所得税法施行規則第一二条の一〇第一項に則り、売価還元法によつて、たな卸商品を評価すべき場合に該るのである。

そこで、進んで、右各年度末におけるたな卸商品に対する売価還元法の適用について考察するに、

(イ)  昭和二九年末における右たな卸商品については、これに対する売価還元法の適用に際し、不可欠の差益率を算出するに必要な同年度における売上商品高及び仕入商品高を、全証拠によるも、これを認め難いので、結局右たな卸商品については、売価還元法を適用するに由なきものと謂わなければならない。左れば、売価還元法に代わるべき他に合理的な評価方法が存するか否かについて、更に検討すると、一般的に売価還元法により算出した或年度におけるたな卸商品の評価価格と、当該たな卸商品に対する当該年度末における仕入価格とは、概ね近似した価格を示すものであること、及び被告人が従来主張していた昭和二九年末におけるたな卸商品に対する評価価格(被告人の検察官に対する昭和三四年七月二四日附供述調書によれば、被告人は同調書に編綴されている損益計算書が被告人の営業の実態を示すものである旨供述しており、その損益計算書には、昭和三〇年度における繰越商品の価格として、金五六、一五〇、六六〇円と記載されているので、これによれば、結局昭和二九年末における右たな卸商品に対する評価価格は金五六、一五〇、六六〇円と謂うに帰着する)と右たな卸商品に対する昭和二九年末における前掲仕入価格とが殆んど近似していることが夫々認められ、更に、同年末におけるたな卸商品につき、同年末における右仕入価格を以て評価しても、被告人に対する所得額の認定に関し、不利益を生ぜしむべき何等の事情も認め得ないが故に、同年末におけるたな卸商品については、同年末における右仕入価格を以て評価するを相当と思料する。よつて、同年末におけるたな卸商品の価格を、前示認定の仕入価格である金五七、一五〇、〇四一円と認定する。

(ロ)  次に昭和三〇年末及び昭和三一年末におけるたな卸商品の評価方法について検討するに、同両年度ともその売上商品高及び仕入商品高は、後記認定の如く夫々これを認め得るが、売価還元法の適用に際し、基礎となる当該たな卸商品の販売予定価格につき、これを認め得べき何等の証拠がなく、茲において検察官はその本位的訴因として、右両年とも、時価法により、右両年度におけるたな卸商品の価格を評価すべきである旨主張するけれども、昭和二九年末以降昭和三一年末迄の間における右たな卸商品の仕入価格は裏に認定の如く急激に高騰していることが認められるので、検察官主張の如く、昭和三〇年末、昭和三一年末における右商品の仕入価格により、右両年度におけるたな卸商品の価格を評価するときは、同たな卸商品の価格中に、不当に評価益を混入させ、延いては、被告人の右両年度における所得額の認定につき、不利益を及ぼす虞があるものと考えられるから、右のたな卸商品の販売予定価格が不明であるからとて、その一事を以て、右両年度におけるたな卸商品の価格を評価するに際し、時価法を適用すべきである旨の検察官の右主張には、輙く賛成し難く、寧ろ時価法の適用による前記の如き、不当な結果を避けるために、検察官がその予備的訴因として主張する如く、昭和三〇年末、昭和三一年末における右商品の仕入価格を以て、右両年度におけるたな卸商品の販売予定価格と看做し、売価還元法を適用するのが次善の措置として当を得たものと理解されるから、同主張を採用し、同主張に則り、昭和三〇年末、昭和三一年末における各たな卸商品の販売予定価格を認定し、次いで、右両年度における差益率を算出するを相当と思料する。よつて同主張に則り、以下において、昭和三〇年末、昭和三一年末における右たな卸商品の販売予定価格を認定し、次いで右両年度における差益率を算出するに当り、先ず、同差益率の算出に必要な昭和三〇年度及び昭和三一年度における売上商品高及び仕入商品高について、按ずるに、昭和三〇年度における売上商品高(別紙(3)売上高明細書)につき

一、別紙(3)売上高明細書中の証拠欄記載の各証拠

昭和三一年度における売上商品高(別紙(5)売上高明細書)につき

一、別紙(5)売上高明細書中の証拠欄記載の各証拠

により

(イ)  昭和三〇年度における売上商品高は、金三〇九、一一三、七六〇円、但し、そのうち金三〇六、一七七、八六三円に対する売上数量は、一、二三三瓲九八三瓩七〇〇瓩、残金二、九三五、八九七円に対する売上数量は不明。

(ロ)  昭和三一年度における売上商品高は、金三四二、八五五、一〇八円、但し、そのうち金三三五、〇一七、八四六円に対する売上数量は、一、〇七八瓲八一瓩三〇〇瓦、残金七、八三七、二六二円に対する売上数量は不明。

であることが認められ、右の各売上数量不明分については、当該売上数量判明分について、夫々瓲当りの平均単価を算出の上、これを以て当該売上数量不明分の売上金額を除して、その売上数量を確定する方法を相当と認め、同方法によつて計算すると、昭和三〇年度分における瓲当りの右平均単価は、金二四八、一〇〇円であるから、同年度における売上数量不明分の売上金二、九三五、八九七円に対する売上数量は、一一瓲八三三瓩五〇〇瓦、昭和三一年度分における瓲当りの右平均単価は、金三一〇、七五三円であるから、同年度における売上数量不明分の売上金七、八三七、二六二円に対する売上数量は、二五瓲二二〇瓩であることが明らかであるが故に、結局昭和三〇年度における売上商品高金三〇九、一一三、七六〇円に対する売上数量は、一、二四五瓲八一七瓩二〇〇瓦と、昭和三一年度における売上商品金三四二、八五五、一〇八円に対する売上数量は、一、一〇三瓲三〇一瓩三〇〇瓦と夫々認め得られる。

次に昭和三〇年度における仕入商品高(別紙(4)仕入高明細書)につき

一、別紙(4)仕入高明細書中の証拠欄記載の各証拠

昭和三一年度における仕入商品高(別紙(6)仕入高明細書)につき

一、別紙(6)仕入高明細書中の証拠欄記載の各証拠

により、

(イ)  昭和三〇年度における仕入商品高は、金二一一、一八三、八七五円、但し、うち金一九六、七二四、七一九円に対する仕入数量は、八六六瓲一九五瓩五〇〇瓦、金八、〇四〇、〇九二円に対する仕入数量は不明、金六、四一九、〇六四円は加工賃

(ロ)  昭和三一年度における仕入商品高は、金二六九、五七一、六四五円、但し、うち金二五一、五〇〇、一八八円に対する仕入数量は、八四八瓲八三五瓩二〇〇瓦、金一三、〇八四、九八二円に対する仕入数量は不明、金四、九八六、四七五円は加工賃。

であることが認められ、右の各仕入数量不明分については、当該仕入数量判明分について、夫々瓲当りの平均単価を算出の上、これを以て当該仕入数量不明分の仕入金額を除してその仕入数量を確定する方法を相当と認め、同方法によつて計算すると、昭和三〇年度分における瓲当りの右平均単価は、金二二七、一一四円であるから、同年度における仕入数量不明分の仕入金八、〇四〇、〇九二円に対する仕入数量は、三五瓲四〇一瓩一三〇瓦、昭和三一年度分における瓲当りの右平均単価は、金二九六、二八九円であるから、同年度における仕入数量不明分の仕入金一三、〇八四、九八二円に対する仕入数量は、四四瓲一六二瓲二三〇瓦であることが明らかであるが故に、結局昭和三〇年度における仕入商品高中金二〇四、七六四、八一一円に対する仕入数量は九〇一瓲五九六瓲六三〇瓦、昭和三一年度における仕入商品高中金二六四、五八五、一七〇円に対する仕入数量は八九二瓲九九七瓲四三〇瓦となる。然しながら、昭和二九年末、昭和三〇年末、昭和三一年末における各たな卸商品の数量が同一であると認められる本件においては、昭和三〇年度及び昭和三一年度における各仕入数は、その各年度における売上数量と同一であることが明らかであるところ、前示認定の昭和三〇年度における仕入数量は、同年度における売上数量に対し、三四四瓲二二〇、五七〇瓦不足しているので、前示認定の同年度における仕入数量の外、右不足分も同年度において、仕入れたものと認むべきであり、従つて、前示認定の同年度における仕入商品高の外、右不足分相当の仕入商品高を更に計上すべきである。又前示認定の昭和三一年度における仕入数量についても、前年度におけると同様昭和三一年度における売上数量に対し二一〇瓲三〇三瓲八七〇瓦不足しているので、前示認定の同年度における仕入数量の外、右不足分も同年度において仕入れたものと認むべきであり、従つて、前示認定の同年度における仕入商品高の外、右不足分相当の仕入商品高を更に計上すべきである。そこで右仕入数量不足分に対する仕入金額の算定については、前示認定の如き昭和三〇年度及び昭和三一年度における瓲当りの当該平均仕入単価に、当該平均仕入単価に、当該仕入数量不足分を乗じて算出する方法を相当と認め、これによつて、計算すると、昭和三〇年度における右仕入数量不足分に対する仕入商品高が金七八、一七七、三一〇円であり、昭和三一年度における右仕入数量不足分に対する仕入商品高が金六二、三一〇、七二三円であり、従つて、昭和三〇年度における仕入商品高は、都合合計金二八九、三六一、一八五円、昭和三一年度の仕入商品高は、合計金三三一、八八二、三六八円と認め得る。

更に進んで前記差益率の算出について按ずるに、検察官は同差益率の算出方法に関し、予備的訴因において、当該年度における売上商品高と仕入商品高との差額を、売上商品高で除する方法により、算出すべき旨主張するけれども、凡そ、右の差益率の算出に際しては、当該年度におけるたな卸商品が存する以上、これを無視し得ない(法人税法取扱に関する個別通達昭和三五年直報一の一二号参照)ことが明らかであるから、検察官主張の右算出方法は輙く採用し難く、当裁判所は当該年度におけるたな卸商品が存することを考慮して、

<省略>

の数式により、当該年度における差益率を算出するを相当と認める。よつて該数式により算出された各差益率により前示認定の当該年度末におけるたな卸商品の販売予定価格を還元し、同たな卸商品の取得価格を算出すると、

(一) 昭和三〇年度分は

<省略>

の数式により、同年度における差益率は、一四、九四%と認められ、

次に、同差益率により、前示認定の当該年度末におけるたな卸商品の販売予定価格を還元し、同たな卸商品の取得価格を算出すると、

98,273,643円÷(1+0.1466)=85,499,950円

の数式となり、従つて同年度末におけるたな卸商品の取得価格は、金八五、四九九、九五円と認められ、

(二) 昭和三一年度分は、

<省略>

の数式により、同年度における差益率は、七・〇三%と認められ次に、同差益率により、前示認定の昭和三一年度におけるたな卸商品の販売予定価格を還元し、同たな卸商品の取得価格を算出すると、

106,104,195円÷(1+0.0703)=99,135,004円

の数式となり、従つて同年度末におけるたな卸商品の取得価格は金九九、一三五、〇〇四円と認められる。

判示第一の事実中、

別紙(1)の昭和三〇年一二月三一日現在における財産額明細書中、受取手形、売掛金、銀行預金及び利子の各金額につき

一、受取手形分は別紙(イ)の受取手形明細書、売掛金分は別紙(ロ)の売掛金明細書、銀行預金及び利子分は別紙(ハ)の銀行預金及び利子明細書中当該証拠欄記載の各証拠により、

別紙(2)の昭和二九年一二月三一日現在における財産額明細書中、受取手形、売掛金、銀行預金の各金額につき

一、受取手形分は別紙(ニ)の受取手形明細書、売掛金分は別紙(ホ)の売掛金明細書、銀行預金分は別紙(ヘ)の銀行預金明細書中、当該証拠欄記載の各証拠により、

別紙(1)の昭和三〇年一二月三一日現在における財産額明細書及び別紙(2)の昭和二九年一二月三一日現在における財産額明細書中各有価証券の金額につき

一、見村金治作成の昭和三三年三月一九日附確認証並に同年同月二〇日附上申書により、

別紙(2)の昭和二九年一二月三一日現在における財産額明細書中、買掛金につき

一、第一二回公判調書中証人高橋日出夫の供述記載部分

一、関根鉄夫、高橋日出夫両名作成名義の昭和三三年六月九日附回答書

一、押収に係る売上元帳一冊(証第七一号)、売上元帳一冊(証第七四号)により

別紙(2)の昭和二九年一二月三一日現在における財産額明細書中、貸付金につき

一、岡田武夫の大蔵事務官に対する昭和三三年三月二一日附、同年六月二日附各質問てん末書により

別紙の第一期脱漏所得金額計算書中、昭和三〇年中に納付した所得税等の金額、同年中に支出した生活費の金額並に同年分申告所得金額につき

一、若山信次作成の相続税、贈与税一人別徴収表写並に申告所得税一人別徴収カード(繰越分)31・32年度分と題する書面

一、高木健一作成の昭和三三年九月三日附市民税、県民税の納付状況について(回答)と題する書面

一、嵯峨健一作成の同年一〇月二二日附証明書(その二)により、

判示第二の事実中

別紙の第二期脱漏所得金額計算書中雑収入の金額並に昭和三一年分申告所得金額につき

一、服部進作成の昭和三三年四月二五日附上申書

一、嵯峨健一作成の同年一〇月二二日附証明書(その一)により、夫々これを認めることができる。

夫々これを認めることができる。

以上の各認定事実を綜合して、昭和三〇年度における総所得金額は、別紙の第一期脱漏所得金額計算書記載のとおり、三八、三一五、七一五円と、昭和三一年度における総所得金額は、別終の第二期脱漏所得金額計算書記載のとおり、一八、七七八、九九五円と認める。

次に、右両年度における所得税額を所得税法に従つて計算すると、

昭和三〇年度分は、

総所得金額三八、三一五、七一五円から、概算控除金七、五〇〇円、扶養控除(四人分)金一〇五、〇〇〇円、基礎控除金七五、〇〇〇円を差引くと、課税総所得金額三八、一二八、二〇〇円(百円未満切捨)が算出され、これに税率を適用すると、算出税額二四、一五一、五七〇円(一〇円未満切捨)となるけれども、被告人が同年中において、配当所得金一二、五〇〇円を有することが前掲証拠により明らかであるから、前記算出税額から、右の配当控除金三、一二五円及びその源泉徴収税額一、八七五円を差引くと、同年度における所得税額は、金二四、一四六、五七〇円となり、

又昭和三一年度分は、

総所得金額一八、七七八、九九五円から、基礎控除金八万円、扶養控除(五人分)金一二万円を差引くと、課税総所得金額一八、五七八、九〇〇円(百円未満切捨)が算出され、これに税率を適用すると、算出税額一一、四二三、二八〇円(一〇円未満切捨)となる。

よつて、被告人は、昭和三〇年度において、その所得金額を金三五〇万円(この所得税額一、六〇五、七五〇円)である旨所得申告を為しているので、少くとも同年度における所得税額二二、五四〇、八二〇円をほ脱し、昭和三一年度において、その所得金額を金二五〇万円(この所得税額一、〇一二、〇〇〇円)である旨所得申告を為しているので、少くとも同年度における所得税額一〇、四一一、二八〇円をほ脱したものであることが明らかである。

(弁護人の主張に対する判断)

(一)  弁護人西岡勇は、判示第一の事実についての所得の計算方法に関し、

(1)  所得の種類如何によつて、課税標準が相違し、税率も異る我が所得税法の下においては、期首における財産の状態と期末における財産の状態とを比較して、期末において財産が増加していたとき、所得があつたものとする財産増減法によつては、その所得の種類を究めることが不可能であるから、これによつて、所得を計算することは違法である。

(2)  仮に、右の財産増減法により所得を計算することが違法でないとしても、同計算方法は、価格の高低することを前提とする方法であるから、逐年同一方法を採用すべきであるに拘らず、本件においては、昭和三〇年度における所得の計算に限り、右の財産増減法を採用したに止り、昭和三一年度における所得の計算に際しては、昭和三〇年度における所得計算方法と異り損益計算法を採用しているから、この点からするも、本件における所得の計算方法は失当である旨

(二)  弁護人竹下伝吉、同西岡勇の両名は、判示第一、第二の事実中、たな卸商品の評価方法に関し、

(1)  検察官は、本位的訴因において、たな卸商品の評価方法につき、時価法によるべきである旨主張しているが、本来、たな卸商品の評価は、その取得価格によるべきであり、これを検察官主張の如く時価法によつて評価するときは、所得に評価益が混入し、結局被告人の所得額の認定につき、不利益を及ぼすことが明白であつて、斯の如き評価方法を以て、被告人に最も不利益な昭和三〇年度及び昭和三一年度の両年度分のみを対象として、所得額を算出したとしても、これを以て、犯則所得額と看做し難く、従つてたな卸商品の評価につき、右の如き方法を採用することは違法である旨

(2)  又検察官は予備的訴因において、たな卸商品の評価方法として、売価還元法を採用しているが、同売価還元法も時価法と同様一種の推定方法であり、殊に検察官主張の右売価還元法は、昭和三〇年度末及び昭和三一年度末における各たな卸商品の各仕入価格を以て、その販売予定価格と看做した上、これを適用したものであつて、その実質は、時価法と何等異らないものであるから、たな卸商品の評価につき、検察官主張の如き売価還元法を採用することは違法である旨

(3)  更に被告人の如き故非鉄金属の問屋業者には、その取扱商品に対する販売予定価格が存しないのであるから、被告人の本件につき、前同販売予定価格の存することを前提とする売価還元法を適用することは違法である旨

(4)  仮に被告人の本件につき、売価還元法を適用することが違法でないとしても、当該たな卸商品の一つ一つにつき販売予定価格を把握し、更に右商品につき、差益率を同じくし、種類を同じくする組別に分けて、夫々の組別商品毎における差益の率によつて還元すべきであつて、検察官主張の如く、一率且つ一般差益率を以て、還元計算することは違法である旨

夫々主張するので、右各点につき、順次その当否を判断すると、先づ右(一)の(1)、(2)の各点については、

所得を計算する方法としては、一定期間内における収入と経費とを洩れなく調査した上、その収入額から経費を控除し、その差額を以て、所得額とするいわゆる損益計算法と、所論の財産増減法とが存するが、そのいずれの方法によるも、その算定される所得額が同一であることは、一般に是認されているところであり、しかも、本件において、右財産増減法を採用して、所得を算出した昭和三〇年度については、利子所得と配当所得以外が、すべて事業所得と認められるので、右の利子所得と配当所得を、いずれも所得税法に従い、当該年度における所得から控除するの措置を講じて居るのであるから、右財産増減法を採用して、被告人の昭和三〇年度における所得を算出したからとて、被告人の右所得額の認定に、何等の不利益を及ぼすことなく、又本件において被告人の昭和三〇年度及び昭和三一年度における所得の算出に際し、財産増減法と損益計算法とを遂年交互に採用したからとて、所論の如き失当が存することも認め難いので、右各主張はいずれもその理由がない。

次に右の(二)の(1)の点については

たな卸商品の評価方法としての時価法は、たな卸商品の販売以前において、その未実現利益の計上を認める結果となるから、健全な企業実務に戻し、又一般納税者の所得額の算出に際し、不利益な結果を招来させる虞れが存するから、原則として、その適用を排斥すべきである。然しながら、原価法による評価が証拠上不可能である場合で、しかも、時価法による評価がその当時における物価の変動その他諸般の事情に徴し、所得額の認定に不利益を招来させる虞れが存しないものと認められるときは、時価法による評価も、これを合理的な推定として許容さるべきである。これを本件について観るに、被告人の昭和二九年末におけるたな卸商品の評価が、時価法による評価を許容される場合に譲るものであることについては、既に証拠説明の際に説示したとおりであるから右主張もその理由がない。

更に進んで、右の(二)の(2)、(3)、(4)の各点については、

所論の売価還元法は、所得税法第一〇条の二の規定に基き、同法施行規則第一二条の九において規定せられたたな卸商品の評価方法の一つであり、一般的にも原価法として是認されているのであるから、これを時価法と同視すべき理由はなく、又被告人の如き故非鉄金属の問屋業者と雖も、物品販売業者たるの性質上、その商品に販売予定価格の存することは自ら明らかであるから、同業者にも売価還元法の適用があるものと謂うべく、なお本件におけるたな卸商品の販売予定価格については、前示認定の如く、各商品毎に、仕入価格を以て明らかにされており、その差益率の適用については、所論のとおり、たな卸商品につき、一括して適用しているが、たな卸商品の種類によつて、差益率が著しく異るものと認むべき何等の証拠も存しない本件においては、これを以て、違法とは認め難いので、右の各主張もいずれもその理由がない。従つて、弁護人の右各主張は、いずれも失当として、これを排斥するの外ない。

(法令の適用)

被告人の判示第一、第二の各所為は、いずれも昭和三八年三月三一日法律第六六号附則第一二条、昭和三七年三月三一日法律第四四号附則第一五条、昭和三四年三月三一日法律第七九号附則第二一項、昭和三三年三月三一日法律第三九号附則第三二項、昭和三二年三月三一日法律第二七号附則第三〇項により適用せられる昭和二九年四月一日法律第五二号所得税法第六九条第一項(第二六条第三項第三号)に該当するので、懲役刑と罰金刑とを併科することとし、以上の各罪は、刑法第四五条前段の併合罪であるが、昭和二九年四月一日法律第五二号所得税法第七三条により、懲役刑につき、刑法第四七条本文、第一〇条に則り、犯情の重いと認める判示第一の罪の刑に併合罪の加重をなした刑期並に右の各罰金刑については、判示第一、第二の各罪の各別に、その所定罰金額の各範囲内において、被告人を懲役一年及び判示第一の罪につき、罰金五百万円、判示第二の罪につき、罰金二百万円に処することとし、右各罰金を完納し得ない場合には、刑法第一八条に則り、金一万円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置することとし、諸般の情状に鑑み、右懲役刑の執行を猶予するを相当と認め、同法第二五条第一項を適用し、本裁判確定の日から二年間、右懲役刑の執行を猶予することとし、なお、訴訟費用につき、刑事訴訟法第一八一条第一項本文を適用して、全部被告人に負担させることとする。

以上の理由によつて、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 上田孝造 裁判官 浪川道男 裁判官 泉山顛治)

別紙 第一期脱漏所得金額計算書

<省略>

(注) △印は減算すべきものを示す。以下各表とも同じ。

別紙(1) 昭和三〇年一二月三一日現在における財産額明細書

<省略>

別紙 (イ) 受取手形明細書

(用語例)

一、取引先欄中、(株)とあるは株式会社、(資)とあるは合資会社、(有)とあるは有限会社の略。

一、証拠欄中の数字は、別紙証拠番号表中番号欄記載の番号であつて、当該番号欄に該当する当該証拠の標目を示す。

<省略>

<省略>

別紙 (ロ) 売掛金明細書 (用語例 別紙(イ)と同じ)

<省略>

別紙 (ハ) 銀行預金及び利子明細書 (用語例 別紙(イ)と同じ)

<省略>

<省略>

以上

別紙(2) 昭和二九年一二月三一日現在における財産額明細書

<省略>

別紙(ニ) 受取手形明細書 (用語例別紙(イ)と同じ)

<省略>

<省略>

<省略>

以上

別紙(ホ) 売掛金明細書 (用語例別紙(イ)と同じ)

<省略>

<省略>

別紙(ヘ) 銀行預金明細書(昭和二九年末) (用語例別紙(イ)と同じ)

<省略>

別紙(3) (用語例別紙(イ)と同じ)

<省略>

<省略>

<省略>

<省略>

別紙(A)

<省略>

別紙(B)

<省略>

別紙(4) (用語例別紙(イ)と同じ)

<省略>

別紙 第二期脱漏所得金額計算書

<省略>

別紙(5) (用語例別紙(イ)と同じ)

<省略>

別紙(C)

<省略>

別紙(D)

<省略>

別紙(E)

<省略>

別紙(6) (用語例別紙(イ)と同じ)

<省略>

証拠番号表

番号 証拠標目

1. 第一一回公判調書中証人吉田和男の供述記載部分、

2. 第一一回公判調書中証人高垣守邦の供述記載部分、

3. 第一二回公判調書中証人日比野哲の供述記載部分、

4. 第一二回公判調書中証人石黒勉の供述記載部分、

5. 第一三回公判調書中証人祖父江稔の供述記載部分、

6. 第一三回公判調書中証人高田正春の供述記載部分、

7. 第一三回公判調書中証人榎治男の供述記載部分、

8. 第一三回公判調書中証人祖父江正敏の供述記載部分、

9. 第一四回公判調書中証人成松正雄の供述記載部分、

10. 第一四回公判調書中証人加藤稔の供述記載部分、

11. 第一四回公判調書中証人吉川伝の供述記載部分、

12. 第一四回公判調書中証人余郷幸雄の供述記載部分、

13. 第一四回公判調書中証人古川佐一の供述記載部分、

14. 第一八回公判調書中証人高垣守邦の供述記載部分、

15. 第二四回公判調書中証人和根崎春治の供述記載部分、

16. 第二四回公判調書中証人三浦久太郎の供述記載部分

17. 伸和金属株式会社作成のウカイ商店仕入控と題する書面、

18. 大矢正明作成名義の昭和三三年四月一八日附上申書

19. 磯部政一作成名義の同年七月一四日附上申書

20. 出口圧太郎作成名義の同年四月二五日附上申書

21. 服部進作成名義の前同日附同年六月一二日附各上申書

22. 大蔵事務官吉田和男作成名義の同年六月一〇日附確認書、並に昭和三五年一〇月一五日附上申書、

23. 大矢岱三作成名義の同年四月二五日附上申書、

24. 加藤三郎作成名義の同年五月一日附、同年同月三日附各上申書、

25. 太田良雄作成名義の同年同月一日附上申書、

26. 安井喜久子作成名義の同年同月二日附上申書、

27. 丹羽正夫作成名義の同年同月一二日附上申書、

28. 佐藤正人作成名義の同年同月一七日附上申書、

29. 北条時次郎作成名義の同年六月二日附回答書、

30. 十河重治作成名義の同年同月四日附回答書、

31. 山田三郎作成名義の同年同月二日附回答書、

32. 松本重信作成名義の同年同月五日附回答書、

33. 小鈴貫一郎の検察官に対する昭和三四年二月一九日附供述調書、

34. 西沢秀雄作成名義の昭和三三年六月二日附回答書

35. 市川志起蔵作成名義の同年同月二五日附回答書、

36. 金井英雄作成名義の同年同月四日附回答書(其の一、二)

37. 片木勇作成名義の同年五月三〇日附回答書、

38. 松村譲作成名義の同年同月一日附回答書、

39. 丸山士行作成名義の同年六月五日附回答書、

40. 太田利高作成名義の前同日附回答書、

41. 石村昇次郎作成名義の同年三月二五日附上申書、

42. 新美秀吉の検察官に対する昭和三四年三月四日附供述調書、

43. 新美秀吉作成名義の昭和三三年五月七日附保管証中、売掛代金請求書の写、

44. 東海銀行本店営業部作成名義の普通預金勘定表写、入金明細表写と題する各書面、

45. 東海銀行中支店作成名義の預金勘定表写と題する書面、

46. 東海銀行矢場町支店作成名義の普通預金勘定表(但し自昭和二八年一二月一日至昭和三一年三月一二日)写、普通預金勘定表(但し自昭和三一年三月一三日至同年一二月一〇日)写と題する各書面、

47. 神戸銀行名古屋支店作成名義の昭和三三年六月一九日附普通預金計算表写と題する書面、

48. 三和銀行上前津支店作成名義の同年同月一二日附普通預金当座勘定照合表写と題する書面、

49. 東京銀行名古屋支店作成名義の同年三月二六日附普通預金元帳写と題する書面、

50. 北海道拓植銀行名古屋支店作成名義の前同日附預金出入記入表写と題する書面

51. 三井銀行上前津支店作成名義の同年四月一四日附普通預金勘定計算表写と題する書面、

52. 三菱銀行中村支店作成名義の普通預金勘定照合票写と題する書面、

53. 三菱銀行名古屋支店作成名義の同年七月二一日附当座勘定照合票写(検察官井村章作成の昭和三五年八月一二日附証拠標目書中、一連番号欄218該当)及び同年三月二六日附普通預金元帳写、と題する各書面、

54. 東海銀行大池町支店作成名義の同年四月一七日附普通預金勘定表写と題する書面、

55. 東海銀行大須支店作成名義の同年同月一六日附普通預金写と題する書面、(検察官井村章作成の昭和三五年八月一二日附証拠標目書中一連番号欄222該当)

56. 東海銀行水主町支店作成名義の普通預金勘定表写と題する書面、

57. 東海銀行中村支店作成名義の普通積金勘定表写と題する書面、

58. 協和銀行橘町支店作成名義の普通預金元票写と題する書面、

59. 協和銀行中村支店作成名義の同年三月二六日附普通預金受払照合表写と題する書面、

60. 三和銀行名古屋支店作成名義の前同日附普通預金照合表写と題する書面、

61. 三和銀行金山橋支店作成名義の同年同月二四日附普通預金照合表写と題する書面、

62. 住友銀行名古屋駅前支店作成名義の同年四月二日附普通預金勘定出入記入表写と題する書面、

63. 大和銀行桜通支店作成名義の同年同月一九日附普通預金照合表と題する書面

64. 日本勧業銀行名古屋支店作成名義の同年三月二八日附普通預金元帳写と題する書面、

65. 小林昌平作成名義の同年四月一七日附上申書(其の一、二、三)、

66. 白井徳治作成名義の同年同月一六日附上申書、

67. 石黒武山作成名義の同年五月一三日附上申書、

68. 東海銀行大阪支店今里出張所作成名義の普通預金勘定表写と題する書面、

69. 村上忠造作成名義の同年同月三〇日附回答書、

70. 寺尾滋子作成名義の同年六月三日附回答書、

71. 道上伸一作成名義の同年同月六日附上申書、

72. 高垣守邦作成名義の同年同月九日附確認書、

73. 今井由之助作成名義の回答書、(但し大蔵事務官山本利治名義、関井工業株式会社宛昭和三三年五月二七日附取引資料照会についてと題する書面と一体をなすもの)、

74. 柴田能一作成名義の同年同月四日附回答書、

75. 仲西清作成名義の同年同月九日附回答書、

76. 梅本朝子作成名義の同年同月二一日附回答書、

77. 三和銀行今里支店作成名義の同年同月三〇日附普通預金元帳写と題する書面、

78. 松川弘次作成名義の同年五月三〇日附回答書、

79. 東海銀行大池町支店作成名義の同年四月一七日附普通預金勘定表写と題する書面、

80. 安井滝治郎作成名義の同年七月一六日附上申書、

81. 東海銀行古渡支店作成名義の同年三月二八日附普通預金勘定表写と題する書面、(検察官井村章作成の昭和三五年八月一二日附証拠標目書中、一連番号欄276該当)

82. 伊東正夫作成名義の同年五月二九日附回答書

83. 大橋健二作成名義の同年六月六日附、同年九月九日附各回答書、

84. 小島徳厚作成名義の同年四月二四日附上申書、

85. 大垣共立銀行名古屋支店作成名義の普通預金勘定表写と題する書面、(検察官井村章作成の昭和三五年八月一二日附証拠標目書中、一連番号欄288該当)

86. 新美秀吉の大蔵事務官に対する同年五月一日附質問てん末書、

87. 日本勘業銀行栄町支店作成名義の同年三月二六日附普通預金元帳写と題する書面、(検察官井村章作成の昭和三五年八月一二日附証拠標目書中、一連番号欄291該当)

88. 百五銀行上前津支店作成名義の同年同月二五日附普通預金元帳写と題する書面、

89. 三菱銀行名古屋支店作成名義の同年七月一八日附普通預金勘定照合票写と題する書面、

90. 住友銀行名古屋支店作成名義の昭和三四年一月二一日附普通勘定仕入記入表写と題する書面

91. 辰己恵庸作成名義の昭和三三年五月一三日附上申書、

92. 矢上政之作成名義の同年同月一四日附上申書、

93. 中村勝吉作成名義の同年六月四日附回答書、

94. 嶋田武彦作成名義の同年五月一九日附回答書、

95. 鈴木素夫の検察官に対する昭和三四年二月一八日附供述調書、

96. 堀川静夫の検察官に対する前同日附供述調書、

97. 大矢正明の検察官に対する前同日附供述調書、

98. 磯部政一の検察官に対する同年三月五日附供述調書、

99. 出口圧太郎の検察官に対する同年二月一八日附供述調書、

100 安井滝治郎の検察官に対する同年同月一九日附供述調書、

101. 服部進の検察官に対する同年三月四日附、同年六月二日附各供述調書、

102. 古田権右エ門の検察事務官に対する同年三月二四日附供述調書、

103. 小野内忠夫の検察官に対する同年二月二一日附供述調書、

104. 安井藤太郎の検察官に対する昭和三五年三月五日附供述調書、

105. 日比野哲作成名義の昭和三三年五月一三日附上申書、

106. 日比野哲の検察官に対する昭和三四年二月二一日附供述調書、

107. 則武利夫作成名義の昭和三三年五月一二日附上申書、

108. 安藤正二の検察官に対する昭和三四年三月三日附供述調書、

109. 伊藤忠男作成名義の昭和三三年五月一四日附上申書、

110. 石黒勉の検察官に対する昭和三四年三月二五日附供述調書、

111. 永田政司作成名義の昭和三三年六月三日附(其の一、二)回答書、

112. 永田政司の検察官に対する昭和三四年二月一八日附供述調書、

113. 北条時次郎の検察官に対する前同日附供述調書、

114. 土井朝一の検察官に対する前同日附供述調書、

115. 辻村啓の検察官に対する昭和三三年六月二日附回答書、

116. 横町実の検察官に対する昭和三四年二月一八日附供述調書、

117 塚口藤十郎作成名義の同年五月三〇日附、同年六月二〇日附書面二通、

118. 川畑貞蔵作成名義の同年同月一九日附(其の一、二)回答書、

119. 小田タキ子作成名義の同年同月一四日附回答書、

120. 真志田昌登の検察官に対する昭和三四年三月九日附供述調書、

121. 米沢正直の検察官に対する同年同月一〇日附供述調書、

122. 小野坂良和の検察官に対する同年二月二三日附供述調書、

123. 市川勇の検察官に対する前同日附供述調書、

124. 竹綱嘉鶴の検察官に対する同年同月二〇日附供述調書、

125. 佐藤清政作成名義の昭和三三年六月三日附回答書、

126. 進藤虎治の検察官に対する昭和三四年三月一一日附供述調書、

127. 松村譲の検察官に対する同年同月九日附供述調書、

128. 松村慶治郎の検察官に対する同年同月一〇日附供述調書、

129. 井上鉄雄作成名義の昭和三三年六月三日附回答書、

130. 武田次郎の検察官に対する昭和三四年二月一八日附供述調書、

131. 近藤志な子作成名義の昭和三三年六月一日附回答書、

132. 近藤広の検察官に対する昭和三四年三月四日附供述調書、

133. 浜島清忠作成名義の昭和三三年五月二九日附回答書、

134. 余合一良の検察官に対する昭和三四年三月二日附供述調書、

135. 尾崎秀男作成名義の昭和三三年六月三〇日附回答書、

136. 宅見美数の大蔵事務官に対する同年五月二八日附質問てん末書、

137. 宅見圭一の検察官に対する昭和三四年三月二日附、同年六月四日附各供述調書、

138. 榎政利の検察官に対する同年同月一八日附供述調書、

139. 祖父江稔の検察官に対する前同日附供述調書、

140. 祖父江正敏の検察官に対する前同日附供述調書、

141. 長崎太郎の検察官に対する前同日附供述調書、

142. 平野登美枝の検察官に対する同年同月一九日附供述調書、

143. 韓基栄の検察官に対する前同日附供述調書、

144. 高田正春の検察官に対する前同日附供述調書、

145. 拓植えつの検察官に対する同年同月二〇日附供述調書、

146. 榎治男の検察官に対する前同日附供述調書、

147. 加藤稔の検察官に対する前同日附供述調書、

148. 余郷幸雄の検察官に対する同年同月二三日附供述調書、

149. 吉川伝の検察官に対する前同日附供述調書、

150. 木村豊の検察官に対する前同日附(其の一、二)供述調書、

151. 木村豊作成名義の前同日附回答書、並びに(株)木村商店と標記した書面

152. 木村玉枝作成名義の同年四月三〇日附上申書、

153. 三浦光逸の検察官に対する同年三月一八日附供述調書、

154. 古川佐一の検察官に対する前同日附供述調書、

155. 吉田直衛の検察官に対する同年同月二四日附供述調書、

156. 八木守雄検察官に対する前同日附供述調書、

157. 黒田精作の検察官に対する同年同月二五日附供述調書、

158. 松浦末治の検察官に対する前同日附供述調書、

159. 高岸俊男の検察官に対する同年同月二六日附供述調書、

160. 吉田勇夫の検察官に対する前同日附供述調書、

161. 成松正雄の検察官に対する前同日附供述調書、

162. 石井朝子の検察官に対する前同日附供述調書、

163. 梶浦昭夫の検察官に対する同年同月二七日附供述調書、

164. 沈相の検察官に対する前同日附供述調書、

165. 中井又右エ門の検察官に対する同年同月四日附供述調書、

166. 辰己恵庸の検察官に対する同年同月二七日附、同年六月二日附各供述調書、

167. 足立貞治郎の検察官に対する同年三月二八日附供述調書、

168. 足立貞治郎作成名義の昭和三三年七月二八日附回答書、

169. 和根崎春治の検察官に対する昭和三三年三月三一日附供述調書、

170. 渡会英一郎の検察官に対する前同日附供述調書、

171. 近藤明治の検察官に対する前同日附供述調書、

172. 松山義昌の検察官に対する同年四月一日附供述調書、

173. 丹羽勇三の検察官に対する前同日附供述調書、

174. 藤原鉄雄の検察官に対する前同日附供述調書、

175. 三浦伊久多郎の検察官に対する同年四月三日附供述調書、

176. 津田泰男作成名義の昭和三三年六月一七日附回答書、

177. 白井徳治作成名義の同年四月二一日附上申書、

178. 山城重雄作成名義の同年六月一八日附回答書、

179. 津田八重子作成名義の同年同月二〇日附回答書、

180. 杉浦弘の検察官に対する昭和三四年二月二〇日附供述調書、

181. 高木代三の検察官に対する同年同月二三日附供述調書、

182. 石垣よしの検察官に対する同年三月一八日附供述調書、

183. 伊藤晴義の検察官に対する前同日附供述調書、

184. 大竹鎮雄の検察官に対する同年同月二四日附供述調書、

185. 大島文雄の検察官に対する同年二月一七日附供述調書、

186. 加藤富三の検察官に対する同年同月二〇日附供述調書、

187. 金井英雄の検察官に対する前同日附供述調書、

188. 飯谷三進の検察官に対する同年三月一七日附供述調書、

189. 佐藤正人の検察官に対する同年同月二〇日附、同年二月二一日附各供述調書、

190. 小西利秋の検察官に対する同年三月九日附供述調書、

191. 棟近一雄の検察官に対する同年二月一八日附供述調書、

192. 西沢秀雄の検察官に対する同年三月九日附供述調書、

193. 丹羽正夫の検察官に対する同年二月二〇日附供述調書、

194. 浅野裕の検察官に対する同年三月二〇日附供述調書、

195. 田島茂の検察官に対する同年同月二五日附供述調書、

196. 奥村抽の検察官に対する同年二月一九日附供述調書、

197. 奥保謙三作成名義の昭和三三年六月四日附回答書、

198. 佐藤曻作成名義の前同日附回答書、

199. 真野孝次郎作成名義の同年同月一四日附回答書、

200. 佐伯幸三の検察官に対する昭和三四年三月二〇日附供述調書、

201. 辻繁の検察官に対する同年同月二四日附供述調書

202. 滝沢卓爾の検察官に対する同年同月二六日附供述調書、

203. 太田博夫の検察官に対する同年同月三〇日附供述調書、

204. 佐藤曻の検察官に対する同年同月三一日附供述調書、

205. 加藤文夫の検察官に対する同年同月三日附供述調書、

206. 窪田誠作成の昭和三三年六月三日附回答書、

207. 加藤正男作成の同年四月一五日附上申書、

208. 大蔵事務官原稔作成の

(1) 昭和三七年三月一七日附上申書(但し中井製作所分)、

(2) 前同日附上申書(但し市川製作所分)、

(3) 前同日附上申書(但し松川製作所分)、

(4) 同年同月二二日附上申書(但し米沢金属に関する分)、

(5) 前同日附上申書(但し榎健商店に関する分)、

(6) 前同日附上申書(但し共栄金属に関する分)、

(7) 前同日附上申書(但し加藤製作所に関する分)、

(8) 前同日附上申書(但し伊藤商店に関する分)、

209. 押収に係る

(1) 証第五七号の金銭出納帳一冊、

(2) 証第五八号の銀行勘定帳一冊、

(3) 証第五九号の支払手形帳一冊、

(4) 証第六〇号の30年度仕入帳一冊、

(5) 証第六一号の30年度仕入帳一冊、

(6) 証第六二号の一二期買掛金元帳一冊、

(7) 証第六三号の一二期買掛金元帳一冊、

(8) 証第六四号の買掛帳一冊、

(9) 証第六五号の一三期買掛金元帳一冊、

(10) 証第六六号の昭和三一年度原料買入簿一冊、

(11) 証第六七号の昭和三一年度仕入帳一冊、

(12) 証第六八号の29年度仕入元帳一冊

(13) 証第六九号の銀行勘定帳一冊、

(14) 証第七〇号の第一一期買掛金元帳一冊、

(15) 証第七一号の売上元帳一冊、

(16) 証第七二号の買原簿一冊、

(17) 証第七四号の売上元帳一冊、

(18) 証第七五号の31年度仕入元帳一冊

(19) 証第七六号の昭和三〇年度原料買入簿一冊、

(20) 証第七七号の昭和三二年度原料買入簿一冊、

(21) 証第七八号の昭和三一年度売上帳一冊、

(22) 証第七九号の売上帳一冊、

(23) 証第八〇号の売上帳一冊、

(24) 証第八一号の一、二の手帳二冊、

(25) 証第一三八号の売上帳、 以上

右は謄本である。

同日同庁

裁判所書記官 天野鉦吾

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